小学校を卒業した俺は、特に問題なく地元の公立中学校に進学した。
6年間通っていた小学校とは異なり、新しい面々が見て取れた。
俺の通っていた小学校だけでなく他の多くの小学校からの進学先でもある為、当然だろう。
それでもやはり初日は緊張した。これから新しい人間関係を築いていかなくてはならないからだ。
当時の俺は、今時の言葉を使うと「陽キャ」だったと思う。
入学して3日経てば、誰彼構わず話しかけていたし常に笑顔を絶やさなかった。
この笑顔は生来のもので、別に努力していたわけではない。そういう顔としか言いようがなかった。
コミュ力があったかどうかは分からない。ただ友達はすぐに出来たし、人間関係は極めて良好だった。
中学1年の段階で、既に女子から気軽に声をかけられるようになっていた。
正直出来過ぎていたと思う。中学生と言えば思春期のど真ん中であり、女子と親しく会話しようものなら「好きなのか?」と茶化されるにも関わらずだ。
分かるだろ? 女子と仲良くしていたら周囲が過敏に反応して噂をする感じだ。
ただ当時から俺は自分に自信が無いし、自己肯定感というものが全くなかった。
女子に好意を寄せられることは無いし、今後もありえない。
そう思っていた。中学2年生になるまでは。
続く!
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