高校2年生になるとクラス替えがある。クラスメートが一新された。
ここで僅かだが、転機が訪れる。クラスに陰キャが大勢配置されたのだ。俺と同じく日陰者である。
クラスの陽キャは「このクラス、オタクしかいねーじゃねーか」とこぼしていたほどである。それほど陰キャが多かった。
中学生の頃は俺も陽キャだったと思うが、俺はこの1年で見事に陰キャへとジョブチェンジを果たしていた。
俺は特に時間を掛けることも無く、陰キャと友達になっていた。話題はやはりゲームである。
クラスの休み時間は世間話をして、昼休みは物理室でバカ騒ぎ。
ごく普通の高校生らしい生活が送れていた。
相変わらず陽キャからの嫌がらせは受けていた。陰口、にらみつける等など…俺の防御力は減少していった。
しかしここで、中学校の同級生であるAさんと同じクラスになったのだ。
そう、Aさんとは同じ進学先だったのである。
俺はAさんとまた話ができるのでは、と1ミリ程期待した。
そして、その僅かな期待は儚く砕け散ることになった。
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