前回の続き
ベッドに横になったものの眠れない。脳内に今日の出来事が駆け巡っている。興奮しているのだろう。
足を大ケガしたものの懸念があった。足を手術するのかという点だ。
今日、当直を担当していた整形外科の医師によると、手術する可能性もあるらしい。
「この程度だと、俺だったら手術はしないかな!」
「でも、俺は足専門じゃないし、後日改めて診察してよ!」
とのことだった。後日の診察で、手術の有無と治療の方針が決まるそうだ。
もちろん俺は手術なんかしたくない! 家で穏やかに療養に専念したい。異議はないはずだ。
モヤモヤした気分と一抹の不安が晴れず、診察日当日を迎えた。
「手術の必要はないですね。このままの状態で休んでください」
「また来週来てください。経過を診ますので」
診察室に入って、10秒くらいでアッサリと告げられた。
以上です、みたいな空気が診察室に蔓延している。そう感じたのは俺だけだろうか?
とはいえ、俺は安心した。手術せずにこのまま過ごせるのだ。3ヵ月間は長いがじっくりと過ごすことにしよう。
本でも読んで過ごすか、近頃年を取って滅多にやらなくなったゲームでもいい。
大ケガをした、という大義名分を得たので家で遊びつくすと決めた。
俺はまだ運が良かった 完
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